若いうちに覚えた車椅子は、未来の自分を助けるかもしれない


ラルグには、若い頃に松葉杖と車椅子を長く使っていた時期がある。

必要だから使い始めた道具だったが、長く付き合ううちに扱い方そのものが身体へ入っていった。

松葉杖は体幹で送れるようになり、車椅子は左右の動きとブレーキを使って小さく旋回できるようになった。

病院の備品でやりすぎて師長さんに怒られ、自分の車椅子を買ったこともある。

その車椅子と松葉杖は、あとで整備して病院へ寄贈した。

だから今でも思う。

もし年を取って、また車椅子を使う時間が増えても、若い頃に覚えた身体の記憶が戻ってきたら、それだけで少し元気になれるんじゃないか。

道具を使うことは、できなくなったことを数えるためだけのものではない。

別の動き方を覚えることでもある。

そしてこの話は、STRUCTURE ZEROの中で、身体の状態が変わった人たちをどう支えるのかを考える新しい設計種にもなった。

まだ設定ではない。けれど、たぶん大事な枝だ。